会社の未来を、次のステージへつなぐ。
ホーム › 会社売却(譲渡)ガイド

会社売却とは?M&Aの仕組みや手続き・相場を初心者向けに解説

公開: 2026-10-05 / 更新: 2026-10-05 ・ 読了 約7分

この記事の要点

  • 会社売却とは、株式や事業を第三者に譲渡して経営権を移転する行為である。
  • 売却相場は「時価純資産+営業利益の2〜5年分」を基準に算出されることが多い。
  • 情報漏洩やマイナス情報の隠蔽は交渉破談の大きな要因になるため避ける。

会社売却とは?仕組みと目的を初心者向けに解説

会社売却とは、自社の株式や事業を第三者に譲渡することで、経営権や資産を他社(または個人)に移転する行為です。一般的にはM&A(合併・買収)の手法を用いて行われ、後継者不足の解決や創業者利益の獲得、さらなる事業成長を目的として選択されます。

近年、中小企業における後継者不在問題の深刻化に伴い、会社売却はきわめて一般的な事業承継の手法として定着してきました。株式を譲渡して会社を丸ごと売却する方法だけでなく、特定の事業部門のみを切り離して売却する「事業譲渡」という手法も存在します。経営者自身の第二の人生のスタートや、従業員の雇用継続を守るための有効な手段として活用されています。

会社売却と事業譲渡の違い

会社売却と事業譲渡の最大の違いは、「法人格(会社そのもの)を譲渡するかどうか」にあります。

どちらの手法が最適かは、会社の財務状況や売却後の目的によって異なります。詳細な税務上の取り扱いについては、国税庁の公式情報を確認するか、税理士などの専門家へ相談してください。


会社売却のメリット・デメリット

会社売却を検討するにあたり、メリットとデメリットを正しく理解することは欠かせません。売り手側、買い手側それぞれの視点から整理します。

売り手(譲渡企業)のメリット

売り手にとっての最大のメリットは、創業者利益(売却益)の獲得と、後継者問題の解決です。保有する株式を現金化することで、リタイア後の生活資金や新しい事業の立ち上げ資金を確保できます。また、個人保証(経営者保証)から解放される点も精神的な負担を大きく軽減します。さらに、大手企業の傘下に入ることで、自社単独では難しかった事業規模の拡大や従業員の雇用安定が図れることも魅力です。

売り手(譲渡企業)のデメリット

一方で、売却にともなうデメリットやリスクも存在します。まず、長年築き上げてきた経営権を失うため、売却後は自らの意思で会社をコントロールできなくなります。また、買い手企業の企業文化や評価制度との統合(PMI)がうまくいかない場合、従業員のモチベーション低下や離職につながる恐れがあります。売却した事実が取引先に伝わることで、一時的に信用不安が生じるケースもあるため、情報管理には細心の注意が必要です。


会社の名前を入れるだけで、あなたの会社の記事を1本、無料でお作りします。検索で見つけてもらう記事を、毎日2本代行します。

無料で記事を作る →

会社売却の価格相場と算出方法

自社がどの程度の価格で売れるのかは、多くの経営者が最も気にするポイントです。会社売却の相場は、企業の財務状況や将来の収益力、業界の市場環境などによって総合的に決定されます。

中小企業のM&Aにおいて、簡易的な価格査定でよく用いられる算出式は以下の通りです。

「時価純資産 + 営業利益の2年〜5年分(のれん代)」

時価純資産とは、会社の総資産から負債を差し引いた純資産を時価で評価し直したものです。ここに、将来の収益力を示す「のれん代(営業利益の数年分)」を上乗せした金額が、おおよその売却価格の目安となります。業績が安定している、あるいは成長分野の事業である場合は、こののれん代が高く評価されやすくなります。

企業価値の評価方法(バリュエーション)には、主に以下の3つのアプローチがあります。

実際の取引価格は、これらの算出結果をもとに、買い手との交渉によって最終的に決定されます。


会社売却の具体的な手順・プロセス

会社売却をスムーズに進めるためには、全体の流れを把握しておくことが重要です。一般的に、相談から最終契約・引き渡し完了までには、6ヶ月〜1年程度の期間を要します。

ステージ1:準備とM&A仲介会社の選定(1ヶ月〜2ヶ月程度)

まずは自社の財務整理や事業の強みの洗い出しを行います。信頼できるM&A仲介会社やアドバイザーを選定し、秘密保持契約(NDA)およびアドバイザリー契約を締結します。

ステージ2:買い手候補の選定と打診(2ヶ月〜3ヶ月程度)

仲介会社を通じて、匿名で会社の概要をまとめた「ノンネームシート」を作成し、買い手候補企業に打診します。買い手が興味を示した場合、秘密保持契約を結んだ上で、より詳細な企業情報(インフォメーション・メモランダム)を開示します。

ステージ3:トップ面談と基本合意書の締結(1ヶ月〜2ヶ月程度)

経営者同士が直接会い、経営理念や売却後の方向性について話し合う「トップ面談」を行います。条件面でおおよその合意に至った段階で、売却価格やスケジュールなどを盛り込んだ「基本合意書」を締結します。

ステージ4:デューデリジェンス(買収監査)の実施(1ヶ月程度)

買い手側が選定した公認会計士や弁護士などの専門家が、売り手企業の財務、法務、税務、労務などの状況を詳細に調査します。この際、事前の説明と異なる重大なリスクが見つかると、減価や破談の原因になるため、誠実な情報開示が必要です。

ステージ5:最終契約の締結とクロージング(1ヶ月程度)

デューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な譲渡価格や条件を確定し、「株式譲渡契約書」などの最終契約書を締結します。株式の譲渡と対価の支払いが実行(クロージング)されることで、会社売却の手続きは完了となります。


会社売却でよくある失敗事例と対策

会社売却を成功させるためには、先人の失敗から学ぶことが重要です。ここでは、中小企業のM&Aで発生しがちな代表的な失敗例を紹介します。

情報漏洩による従業員の反発や取引先の離脱

売却交渉を進めていることが正式発表前に社内や外部に漏洩してしまうケースがあります。「会社が身売りされるのではないか」という不安から、キーマンとなる優秀な従業員が退職してしまったり、競合他社に顧客を奪われたりする事態が発生します。対策として、交渉段階では情報を極秘扱いとし、信頼できるごく一部の役員のみに共有をとどめる徹底した情報管理が必要です。

デューデリジェンスでの虚偽・隠蔽による破談

自社を少しでも高く売りたいがために、簿外債務や未払い残業代、過去の法的なトラブルなどを隠して交渉を進めるケースがあります。これらはデューデリジェンスの段階でほぼ確実に発覚します。発覚した時点で買い手からの信頼は失墜し、大幅な減価を要求されるか、最悪の場合は交渉が破談になります。マイナス情報こそ初期の段階で包み隠さず開示することが、結果としてスムーズな売却につながります。


信頼できるM&A仲介会社・専門家の選び方

会社売却を成功に導くためには、パートナーとなるM&A仲介会社や専門家の選定が極めて重要です。選定の際は、以下のポイントを確認してください。

公的な支援機関である「よろず支援拠点」や、各都道府県に設置されている「事業承継・引継ぎ支援センター」なども、中立的な立場から相談に乗ってくれるため、最初の相談窓口として活用するのも有効です。詳細は中小企業庁のウェブサイトなどを参照してください。

よくある質問

Q. 会社売却にかかる税金はどのくらいですか?
A. 個人株主が株式譲渡を行う場合、売却益(譲渡所得)に対して一律20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税)の税金が課されます。法人が事業譲渡を行う場合は、法人の実効税率(おおよそ30%〜34%程度)に基づき法人税等が課税されます。
Q. 赤字企業や債務超過の会社でも売却は可能ですか?
A. 可能です。独自の技術や特許、優秀な人材、特定の許認可、魅力的な販売網などの強み(無形資産)があれば、赤字や債務超過であっても買い手企業にとって価値があると判断され、M&Aが成立するケースがあります。
Q. 会社売却の手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 一般的には、売却の準備を開始してから最終的なクロージングを迎えるまでに、おおよそ6ヶ月から1年程度の期間が必要となります。買い手探しや条件調整、デューデリジェンスの進行状況によって期間は前後します。
この記事をシェア: X(Twitter) LINE

あわせて読みたい

関連データ

北海道函館市【中国料理 東春】業歴の長い中華料理店|北海道の事業承継案件
【北海道函館市】 不動産賃貸業|北海道の事業承継案件
岩手県八幡平市【ペンション あるぺじお】安比高原に立地するペンション|岩手県の事業承継案件
埼玉県北葛飾郡松伏町【有限会社中村商店】①中華料理店、②中古車販売、③不動産賃貸業を営む|埼玉県の事業承継案件
→ 案件をすべて見る

会社の名前を入れるだけで、あなたの会社の記事を1本、無料でお作りします。検索で見つけてもらう記事を、毎日2本代行します。

無料で記事を作る →

商工会議所・よろず支援拠点などが開く、事業承継・M&Aのセミナーと相談会を、地域ごとに一覧にしました。登録は無料です。
資金繰りの相談会カレンダーを見る →